ISO9001(品質マネジメントシステム):2008規格が改定されました。
2008年の改定は軽微なものでしたが、今回の2015年版は、
新しい構造、新しい品質マネジメントの原則、新しい概念を導入した、技術的な改訂で規格発行依頼、最大の改定だといわれています。

実は、企業のISO9001の認証取得状況は、2000年改定時から大きく増加傾向にありましたが、2006・7年あたりから減少しています。

取得したけれども、費用や手間がかかり繁雑だ、売上に結びつかない、取得だけでは差別化したことにならない、そんなことで返上する企業が増えてきているのが大きな理由のようです。

ISO9001の目的は、企業(組織)などが、
お客さんや社会などが求めている品質を備えた製品やサービスを常に届けるための仕組みについて
「国際標準化機構(ISO)」が定めた、世界共通の規格です。
その規格(仕組み)を利用して、更に良くしながら(継続的改善)、お客さんの満足度=売上向上を目指すためには、どのような組織にしたらよいのか、責任分担はどうしたらよいのか、どのような方法で仕事をすればよいのかについて定めているものです

既に組織にこれらの仕組みが根付いていて、満足したパフォーマンスが出来ていれば、返上もありだと思います。
しかし、前述したように「うーん、いまいち効果がでていない」という組織は、今回の改定を契機に一度見直しされることを望みます。

ISO9001は、所詮企業を良くするためのツールにすぎません。
「なんとかとハサミは使いよう」といいます。
お手持ちのハサミの刃を研ぐか?切り口を変えるか?切るものを変えるか?そんなことを検討して取組むとよいと思いますね。

ISO9001 改訂の主なポイントは次のとおりです。
①他のマネジメントシステム規格(ISO14001 等)との整合
他のマネジメントシステム規格との整合性を取ることを容易にするために、ISO で規定
されるマネジメントシステム規格に共通的に用いられる規格の構成を採用しています。
これにより、組織が複数のマネジメントシステムを事業プロセスと一体的に運用することが
容易となり、効率的かつ効果的なマネジメントを実施できるようになります。

従って、取得企業においては「品質マニュアル」の大きな改定が必要と考えられます。

②組織の状況の理解及び事業プロセスとの一体化
組織の外部及び内部の課題を明確にし、顧客だけでなく利害関係者のニーズ及び期待を広く理解し、これらに基づき品質マネジメントシステムの適用範囲を決定することが求められています。

さらに、品質マネジメントシステムを組織の事業プロセスに統合させ、事業と一体となった運用を行うことが求められています。

③パフォーマンス重視
品質マネジメントシステムを通じてどのような結果を達成したいのかをこれまで以上に明確にして取り組む必要があります。
また、計画に従って運用を確実に行うだけでなく、そのパフォーマンスにも着目することが求められています。

④リスクに基づく考え方
製品やサービスの不具合等の組織内部に起因するリスクや、顧客ニーズの変化等の組織外部に起因するリスクなど、組織を取り巻くリスクを特定し、それらのリスクに取り組むことが要求事項として取り入れられました。

⑤文書化要求について
従来の品質マニュアル及び文書化された手順に関する明示的な要求はなくなりましたが、どのような文書がどの程度必要かということは、組織自らが置かれた状況に応じて決める必要があります。
組織には、プロセスの運用を支援するための文書化した手順を維持し、プロセスが計画どおりに実施されたと確信するための文書化した手順を保持することが求められます。

※それでもある程度の文書化は必要
ISOを取得された企業がよく言われるのが、文書化が面倒だということです。しかし、ある程度の文書化は必要と考えます。文書の作成は,それ自体が目標ではありませんが、価値を付加する活動に繋がるからです。
・仕組み,マネジメントシステムは目で見えません。無形の行動を何かに写して有形化することが必要です。
・定められた行動が遂行されたという結果として,文書化された報告書やデータを記録に残すことが必要です。
・文書化により不安定な業務や作業を標準化することが可能となります。

⑥サービスへの配慮
これまでもサービスは製品という用語の概念に含まれていましたが、サービスという言葉をより明示的に用いるとともに、規格の中で用いられているその他の用語や要求事項の表記が製造業だけでなくサービス業にも適用しやすくなりました。

認証移行期間は、規格発行から2018年9月14日までの3年間です。
 前述のとおり、大きな改定となっておりますので、お早めに対応されることをお勧めします。
 
 ※ご不明な点などは、当事務所にお問い合わせください。
  必要に応じて適切にサポートします。

でもって、「下町ロケット」今夜が最終回!
 ちょっとべたなドラマだと思います。あくまでも物語、綺麗事かという意見もあります。
しかし、思うのです、「綺麗事は追及すべきだ」と!

ISO9001品質マネジメントシステムは、あくまでも仕組みに過ぎません。
そして、それを動かすのは、「人」です。
P・F・ドラッカーは、「マネジメントは仕組みではなく、人によってしか実現できない」と述べて
います。
今回の2015年改正において、本当に見直すべきものは、システム(マニュアルなどの文書)ではな
く、それを動かす「人」なのかもしれません。

マネジメントシステム8原則(今回の改定では7原則)の3番目には、
「人々の参画」が挙げられていますが、今回は「人々の積極的な参画」と変更されています。
私は以前この「人々の参画」に一文字付け加えて「人々の熱意ある参画」としていました。
ただ単に人が参画するだけでは良い結果は生み出せません。
その一人一人が、熱意をもって参画すること、積極的に参画するような仕組み作りが大切です。

人を中心に考え、管理という手法よりも、現場を信頼し、任せて、一人一人を認めてあげること、皆で一緒に考えて答えを求めること、このことがより大事だと考えます。
まさに「下町ロケット」のもつ世界感のような気がしますね。

今年もあと僅かです、
年明けによく聞かれる言葉は、「本年も相変わらず宜しく」という言葉ですが、
何といっても「継続的改善」です。
「相変って進化し続けることが大切です」。