延命治療を望みますか?
Book Radio (ブックレイディオ) 私の一冊
先日、こんなタイトルのラジオに生出演しました。
とり上げた本の題名は「ささやかだけれど、役にたつこと」
原題 A Small Good Things(小さなよきもの)
作者はレイモンド・カーヴァー
息子さんを不慮の事故で亡くした両親。
悲しみと絶望、それでもささやかな小さな温かいパンが少しだけ心の支えになる、
そんなお話です。
そのなかで、
食べるということ、
自分で食べられなくなった時が寿命だという話をさせていただきました。
延命治療を望みますか?
今回は、そんな流れで「延命治療」を望みますか?
そんなテーマで書いています。
延命治療を望みますか? 望まないという人は80%以上だそうです。
私も望みません。
また、NHKの特集番組でも医師のほとんどが延命治療を希望しないと答えていました。
それでも「延命治療」が行われるのは、 本人が自らの意思を明確に書面で記していないからです。
家族に判断させるのは酷
つい数ヶ月前の出来事です。
あるご婦人が病に倒れました。
大手術でかろうじて一命はとりとめたものの、回復する望みはほとんどありません。
お医者さんが、延命治療をするか、しないかの選択をせまります。
本人は意識がないので判断するのはご家族ということになります。
ご主人と息子さんは「しなくていい」との決断をしました。
しかし、娘さんは「してほしい」という違う決断をしました。
ご家族で意見が違ったわけです。
こうなった場合、通常「生かそう」とする判断の方が優位に立ちます。
延命治療が始まる
そこで、「延命治療」を選択することにしました。
そしていったん始まった治療は途中で止めることが出来なくなります。
こうして高額な医療費と多くの時間が費やされることになります。
私が一昨年相談を受けた方は、叔母さんが延命治療を10年以上も行っている,
その間看護してきた叔父も倒れ、預貯金も使い果たした。
どうすればいいか?という内容でした。
初期の選択を誤ったとまでは言いませんが、
いずれにせよ悲劇であることは間違いない事実だと思います。
自分の最後は自分で決める!それも書面で!
そんなことを防ぐためには、
貴方の意思を明確にしておくことが大切です!
ご家族ともしっかりと話し合い、
そしてそれを「尊厳死宣言書」として書面で残しておきましょう!
ご家族に判断させるのは大きな負担となります。
ゆっくり考える時間の猶予もありません。
意見が異なり感情が縺れる場合も想定されます。
大切なご家族を困らせないように、自分自身の最後は自分で決めることが大切です!